【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 ゼフから危険なオーラがヒシヒシと伝わってくるわ…………一人の男が私に触れようとした瞬間、ゼフが男性の後ろに瞬時に回り込み、首の急所を叩き男性が倒れ込む。
 すると周りの物乞い達は、ゼフが男を攻撃したと思い、一斉に襲い掛かってきた――――

 ゼフは一人で全ての攻撃をかわしながら、相手を傷つける事なく急所をついていく…………凄いわ……こんな神業、前世でも見た事ない。私は関心しながら邪魔にならない場所に動こうとした。少しずつ後ずさる………………するといつの間にか私の後ろに回り込んだ人物が、私の首に腕を回してきた。

 しまった――――――


 物乞いにしては体格が少しガッシリした男性は、右腕で私の首を絞め、左手でナイフを私の頬にピタリと付けて、ゼフを脅す。

 
 「このお嬢さんに傷をつけたくはないだろう…………どうする…………抵抗を止めるか?」

 「…………………………」

 ゼフはピタッと動くのを止めた。そして他の物乞いたちによって床に押し付けられ、身動きが取れなくさせられてしまう。
 
 
 「……ごめんなさい、ゼフ………………」私が油断したばっかりに……

 
 「……そうだ、そのまま抑えておくんだ。」
< 106 / 512 >

この作品をシェア

pagetop