【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
殿下に抱かれるような形になってしまったけど、立っているのがやっとで、正直助かる……
殿下が私を確保したのを見て、ゼフが押さえつけていた男たちをすぐに振り払い、殿下の近くにやって来た。
「……申し訳ございません…………我が主……」
「…………ゼフ、言い訳は後で聞く。それよりもこの状況を説明してくれ」
ゼフと殿下が何か話しているけど、私にはその話よりも"ゼフの主が殿下だった"という事実で頭がいっぱいだった。お父様の護衛か怪しんではいたけど、まさかゼフの主が殿下だったなんて………………という事は、ずっと殿下に見張られていたという事?
「なるほどな…………随分と無茶をしたようだな、オリビア。帰ったら覚えておくように」
「…………っ」
な、な、何よ、その獲物を食する前の獣みたいな目は!!私は表情を変えないように努め、必死で笑顔を取り繕った。
「…………お取り込み中悪いが、あんたたち……何しにこんなところに来た」