【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
と耳元でポツリと言うものだから、顔から火が噴きそう…………どうしてこんなに距離が近いの。領地に来る前はこんなに優しい雰囲気なんてなかったのに――――
「……あの…………ヴィル…………手を………………」
(は、離してほしい!)
10代の少女じゃあるまいし、こんな事キリッと言ってやらないでどうするのオリビア!まぁ見た目は17歳なんだけど…………そんなツッコミを自分の中でしていると、殿下が恐ろしい事を言い始める。
「あぁ…………君は何をしでかすか分からないからな。これは手綱の代わりだ」
絡めた手を持ち上げながらそう言って、ははっと笑う…………自業自得過ぎてぐうの音も出ないわ………………というわけで大人しく倉庫まで手を繋ぐ事になったのだった。
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倉庫と思われていた建物は、中に入るときちんとした住居のような作りになっている。3階建てで一階は食堂もあり、憩いの場もある。おそらく二階から上はここの住民が寝泊まりする場所になっているのでしょうね。このよう場所が貧民街にあると分かって、ひとまずホッとした。