【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
王都からやって来た司祭
「あたしらが虐げられている間、あんたらはぬくぬくと旨いもの食って、あったかい布団で寝て…………何不自由なく暮らしていたんだろ?!それを今さら…………救いの手を差し伸べに来ましたって?バカにしやがって…………何しに来たんだよ……」
「テレサ………………」
オルビスが泣きそうなテレサを心配して彼女の元へ行き、背中をさすって落ち着かせてくれる…………ぐぅの音も出ないくらい正論ね……王太子妃教育に必死だったって言っても彼らから見たら、贅沢な悩みでしょうし………………いつの時代も虐げられるのは弱いものばかり。
私は自分の事で精一杯で、周りを見てこなかった。上に立つ者のくせに……王太子妃候補としても領主の娘としても失格ね。突然オリビアの中身が私に変わって、子供たちの為にやってきましたって言ったって誰も納得するわけがないわ。
信頼を得るには言葉じゃなくて、行動で示すしかない。
「あなたの言う事、全てその通りよ。私は何か言える立場ではないわ」
「お嬢様!お嬢様は王太子妃候補なのです…………領地に顔を出す事が出来なくても当たり前…………」
「オルビス、いいの。領主の娘として生まれてきて、私に責任がないとは間違っても言ってはいけないわ」