【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
私はオルビスを制して、椅子から立ち上がり、テレサの元へ行く。テレサは領主の娘に暴言を吐いた事を自覚してか、私が近づくとビクッとしながら震えていた…………私が守るべき者は子供たちだけではなかったのね…………テレサの両手を握り、頭を下げる。
「あなた達の苦しみに気付いてあげられなくて、ごめんなさい。こんな私だけど挽回するチャンスがほしいの、お願い………………」
「お嬢様!」
「オリビア!」
殿下とオルビスが同時に私の名前を呼ぶ声がする…………貴族が簡単に頭を下げるものではない事は分かっているわ。でも私の気持ちを感じてもらうには態度で示すしかないの。
「…………………………いいよ。あんたの好きにしてみなよ。どうなるか見ててやる……」
「…………ありがとう、テレサ……」
「馴れ馴れしく名前で呼ぶなよなっ……」