【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
 
 「ふーん…………」
 マリーは興奮しているようだけど、私は全然驚きもないし、むしろ厄介者が来たなという認識しかない。何の知らせかと思いきや、すっかり白けてしまった私は「そう」とだけ返した。
 婚約者が6日ぶりに目覚めたのにすぐにお見舞いどころか4日も経ってからようやく来るとか、よほど婚約者に対する気持ちが冷めている証拠じゃないかしら。
 そんな人が来てくれて嬉しいだなんて思うわけがないし、このまま来なくても良かったのにとすら思っている。

 マリーは、そんな私の気持ちなどお構いなしに興奮気味に「今すぐ身支度を整えますね!」と鼻息を荒くしているのだった。

 

 
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