【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
…………耳が赤い、これがいわゆるツンデレってやつかしら……背は高いけど猫のようで可愛いわ。私はふふっと笑いながらテレサの頭を撫でてみる。するともっと真っ赤になってプイッと背中を向けてしまった。
………………可愛いわ…………
「……さっそくなんだけど、あなた達に聞きたい事があるの。オルビス、テレサもお話を聞かせてもらってもいい?」
「……何なりと」
「……仕方ないな……」
周りには住人が、私たちのやり取りを見守っている。しっかり話し合わないと……二人の協力を得て、ここの現状をちゃんと把握しなければ。そう思い殿下の隣にまた腰をおろすと、私の手をそっと握ってきた。心配してくれてるのかしら…………ちょっと勇気が出てきた気がする。
「……大丈夫ですわ」
笑顔で殿下にそう言うと、殿下は驚いた表情を見せ、私の手をさらにぎゅっと握ってきたけど、それ以上何も言ってくる事はなかった。
「あなた達に聞きたい事は、ここの事なんだけど…………私の記憶が正しければ、私が領地にいた8歳くらいまでは、あなた達のような人々が集まる場所はなかったと思うのだけど…………」
「……………………そうだよ」