【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「分かりません。しかしその話を聞いて、子供たちが行方不明になっていく事が頭を過ぎり……私は感情的になってしまいました。今の話はどういう事かと、子供たちの行方を知っているのかと、愚かにもヤコブ司祭に詰め寄ってしまったのです…………何の証拠も裏付けもなく」
「……バカだな。そんな事をすれば聖職者たちが黙っていない」
「ヴィル!」
「いいんです。本当にその通りでしたから。司祭は自分のような王都から来た敬虔な聖職者を人身売買の犯人扱いしたと激高し、私を領地から追い出すようにロバート様に詰め寄り…………旦那様が来ないと収まらない状況で……公爵家に迷惑がかかってはと、旦那様がわざわざ王都から来てくださったその日の夜に姿を消しました」
なんて事………………そんな事になっていたなんて。確かに何の証拠もなく王都からの聖職者を犯人扱いしたとなっては……司教ならまだしもその上の大司教まで話が及んだらお父様でも手が付けられないかもしれない。
「人身売買は我が国は法で禁止している。そのような事が行われるわけがないと、誰しもが思っているだろう。それを裏付ける相当な証拠がなければ……そこを利用されたな」