【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「……オルビス…………あなたには礼を言っても足りないわね……ありがとう」
私は改めてオルビスの迅速な対応に感謝を示した。オルビスは若干照れているが、ここの話をする時のオルビスの表情は苦しそうだった。彼にとってここの人たちはもう仲間であり、家族なんだわ。ずっと誰かが助けに来てくれるのを祈るような気持ちで待っていたのかもしれない。
でもあの感じを見ると、全然公爵家に動きがなくて諦めかけていたのかも…………ロバートに教会の話をした時に気まずそうな顔をしていたし、この事件が尾を引いていたのかしら。
オルビスの一件で教会と公爵家には大きな溝が出来てしまっている。その溝に入り込むかのような教会の動き…………
以前のオリビアなら、王太子妃教育に忙しくて領地に来る事が出来なかったでしょうし、そのまま処刑されて公爵家が取り潰しになったのも頷けるわね。ここまで領地で教会の力が増していたら、どの道オリビアの処刑がなくても危なかったかもしれない。
転生してよかったのかしら……とにかく今、私がここにいる意味を考えてこの拗れてしまった問題を何とかしなくちゃ――