【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

距離を置きたい


 マリーがすぐに支度を済ませてくれて、ベッドに横になりながらどうやって婚約破棄を告げようかと思案していた。
 
 突然婚約破棄の話をしたら、流石にどうしたと思われてしまうわよね……どのようにもっていけば自然かしら。
 熱に浮かされている間に殿下の婚約者に相応しくないと気付きましたの……うーーん、不自然過ぎる。だってこの小説のオリビアは、それはそれは王太子殿下が大好きで、片時も離れたくない程に大好きオーラが溢れていたのですもの……親同士が決めた政略結婚ではあるけど、8歳の時に婚約の顔合わせをした時から聖女が現れるまで一途に思い続けたオリビア。
 
 王太子妃候補としての厳しいお妃教育も王太子殿下の為ならって耐えられてしまう程に。
 
 本来なら15歳になった貴族は教育機関であるトワイライト学園に通わなければならず、そこで様々な知識や教養を学び、18歳で卒業する。
 それと同時に婚約者のいる者は結婚、という流れなのだけれど、未来の王太子妃としての教育を受けているオリビアは学園での教育は特別に免除されている。
 
 それなのに授業に出ないにも関わらず、王太子に会いたいが為に学園にも足繁く通っていたのよね……自分がした事ではないにしても穴があったら入りたい。ちょっとしたストーカー………………しかも王太子に群がる女生徒は皆敵のように威嚇していたし、正直歓迎されている雰囲気は微塵もなかった。
 
 「そんなオリビアが突然婚約解消したいだなんて、天変地異もいいところよね」
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