【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 
 オルビスが私の両手を握り、ブンブン縦に振って喜びを爆発させてくる。

 
 するとさっきまでオルビスの話を心配そうに聞いていたテレサの顔が般若のように変わっている…………テレサ、分かりやすいわ……そういう事なのね!
 
 ふふっ……若いっていいわ~~!つい前世の30代の私が出てきてしまう。

 
 そんな事を考えていると、私とオルビスの手を殿下が引き剥がした。

 
 「……もういいだろう。あーー話はまとまったな。今日はもうここにいても出来る事はないだろうから、そろそろマナーハウスの連中も心配し始める頃だ。この辺で帰るぞ、オリビア」

 「……………………」

 
 無言の抵抗をしてみたのに気にする素振りもなく、殿下は帰ろうと席を立ってしまう。もう……せっかくここまで来て、貴重な話を聞けたのにサッサと撤収しなきゃいけないなんて。それに殿下は何しに領地に来たんだろう。来てくれてとても助かったけど、オリビアに全く興味なかったはずなのに……殿下の意図が全く分からない。
 
 でもこの国の王太子に不敬を働くわけにはいかないわよね…………
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