【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「…………承知いたしました。今日はこの辺で帰る事にしましょう」
「あの――……お嬢様、このお方は…………まさか……」
………………そうよね、オルビス達は王太子殿下のご尊顔を拝見した事がないんだ。あの後も暗い話が続いたし、自己紹介していなかったわ。
「この偉そ…………んんっ…………このお方は我が国のヴィルヘルム・ディ・ハミルトン王太子殿下です」
「!……やはり婚約者と言っていたのは聞き間違いではなかったのですね?!も、も、申し訳ございません!!殿下に大変なご無礼を働いてしまいっ………………」
オルビスは土下座する勢いで、地面に頭を付けて謝罪し始めた。
チラリと殿下の顔を見てみる。さぞや得意げな顔をしているのかと思いきや………………不愉快とは違う、ちょっと苦しそうな表情をしている。あまり嬉しそうな顔をしない事が意外……