【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
これでは世の女性はイチコロだ。
実際オリビアもイチコロだったわけだけど……今の私には中身が分からない不気味な笑みにしか見えない。これが王族ってやつね……こちらも微笑みを絶やさず対応しなければね。
「体調はどうだい?6日も意識が戻らなかったと聞く。少しづつ体力が回復してきたのではないかと顔を見に来たよ。」
「殿下におかれましては、わざわざご足労いただき感謝いたします。わざわざお越しになられなくとも回復しましたら、こちらからご挨拶に伺おうと思っておりましたのに……」
全く顔を見たいだなんて思っていなかったくせにそちらから来なくてもよくてよ。そんな意図を込めて言った言葉は全く違う意味に捉えられたようだった。
「そうだな…………君なら、自ら挨拶に来ただろうな……」
なんだか私の言葉が信じられないといった感じ。
………………オリビアがぐいぐい迫っていた事を思い出しながら、自分の発言は間違っていないと思う事にした。
「ゴホッゴホッ…………ずっと熱が下がらなかったものですから……お見苦しい姿をお見せして申し訳ありません。なかなか体力が回復しなくて……私、療養の為に領地に行こうかと思っているのです」