【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
私が言い終わらないうちにソフィアとは逆の私の横に殿下が座った。ゼフからのお話はなんだったんだろう……そんなに長引くような内容だったのかしら。
「ゼフからの話は夕食が終わってから話そう。皆に聞いてもらいたい話でもあるから、お茶を飲みながらでも」
「分かりました、では夕食を済ませてしまいましょう」
殿下と会話しつつソフィアのお世話をする、子育てしてた時みたいね。二人はマイペースで楽しそうに食事する中、私だけが一人であっち向いたりこっち向いたりと大変な夕食になっていた。
(こんなんじゃ食べた気がしないわ…………後で部屋で何か食べよう)
バタバタした夕食が終わり、皆で一息つきながらゼフが来るのを待った。ソフィアは私の膝に乗り新しい本を読んでいるのだけど、だんだんと音読に変わり、可愛い声でその本を読み聞かせてくれる。
それにしても難しい本を読んでいるのね……殿下もそう思ったのかソフィアに話しかけていた。
「その本の分類はミステリーだな。なかなか難しい本を読んでいるじゃないか。きちんと読めているのが凄いぞ」