【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「よし、来たな。じゃあ皆揃ったから、話を始めよう。ゼフがあの後教会に侵入してきた。そこでは司祭が王都から来ていたという、ある人物と話し込んでいたらしく……その内容を聞いてきた」
「え?!」
とある人物?司祭に会いにくる王都からの人物って……それにしてもゼフは本当に危険な役目を担っているのね。なんだか領地に行こうとする私なんかの護衛になってもらっちゃって、とても申し訳ない気持ちになった。
「その王都から来ていた、ある人物とは…………」
「…………司教だ。ヴェットーリ司教と言われていたらしい」
司教?ヴェットーリ司教だなんてもちろん小説に出てきた事はない……この領地で起こっている事がイレギュラーだから仕方ないんだけど。
司祭よりも上の司教までもが公爵領に来ているだなんて……なぜこうも公爵領に王都からの聖職者が来るのか、何やら自分の知らないところで、得体の知れない存在に振り回されている感じがして、嫌な予感が止まらなかった。