【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
私が素朴な疑問を口にすると、ゼフが説明してくれた。
「明日、港に寄港する船に子供を乗せていくという話をしていたんです。そこに司教も立ち会うような話をしていました。」
「明日?それは随分急ね…………それに司教までもが人身売買に加担していたのね……残念だわ。聖職者でありながら、人を救う立場の者が人を売ってお金を得ているだなんて。そんな人が領地にでも来たらどうなるかは、想像しただけでも恐ろしい……今司教が領地にまで来ている、この機会を逃すのは惜しいわね……」
「はい、現場を押さえれば領地の教会にやって来る事を阻止出来ます」
それは、確かに…………捕まえるなら、とにかく現行犯逮捕じゃないとって事よね。そうでなければ、また犯人扱いしたって騒がれてしまいかねない。今回は人身売買だから、特に現場で押さえる事が重要だわ。
「夕食の前に公爵には人身売買以外の税の徴収などは報告を飛ばしておいた。私からの書状があれば、さすがに教会側も慌てるだろうな……司祭に対して動かざるを得なくなる。ただ人身売買については証拠がない段階だ。いくら公爵と言えども教会に掛け合う事は危険だからね……教会が司祭に対して動く前にここで行われている人身売買を解決する事に集中したい。これを解決出来れば、教会にとっては大ダメージだ……きっと事態も動いていくはず」