【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
一向に眠れそうにない私は、ソフィアを起こさないように少し庭園を散歩をしようとベッドから下りる。季節は春になってきているとは言え少し冷えるわ…………温かいショールを羽織っていきましょう。
そう言えば、あまり夕食も食べられなかったんだ……あの後緊張してそれどころではなかったものね。そりゃ寝られないはずよ。でも今から何か食べるのも面倒だし、やっぱり庭園で気分転換しましょう。
音を立てないように気を付けて、そっと部屋を後にした。
今日は晴れていたから、夜空には銀色に輝く月が煌々と光っていて、明かりがなくとも辺りがよく見えるわ。とても美しい月に見惚れていると、庭園に人影が見える。
まさか曲者…………と思ったのは一瞬で、すぐにその人影が高貴な人物である事が分かった。
「…………ヴィル………………あなたも眠れなかったのですか?」
「……オリビア…………そうだな、今日は色々あったから気分を落ちるかせる為に来ていたのだが……君に会えたなら来て良かった」