【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「もう一度」
「ダメ……じゃないわ」
リピートって事ね、と理解して次は気安い話し方をしてみる。すると殿下はすっかり気をよくして笑顔になった。
「上出来だ」
頭を右手でわしゃわしゃされ、すっかりトップはぐしゃぐしゃになってしまう。でもヴィルのあまりに無邪気な笑顔に悪い気持ちにはならなかった。
むしろ話しやすくなってこちらとしては助かる……お嬢様の口調って本当に大変だから、気を張って疲れてしまうのよね。結婚は無理だけど友達にはなれそう?
距離が縮まる事がちょっぴり嬉しい自分の気持ちを誤魔化すように、そんな事を漠然と考えていたのだった。
「…………ソフィアも……あの子なりに役に立ちたいと考えているのね」
「そうだな。少し話しただけだが、とても賢いように見えるし子供の成長は早い。我々が思っている以上に色んな事を観察している」