【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 そう言えばヴィルには小さな弟がいるのは小説で少しだけ書かれていたわ。こちらの世界に転生して間もないし、見た事がないから弟がいる実感がないのだけど……自分の弟と重ねているのかしら。確か仲は良かったはず。


 「ヴィルは今回の件で、教会がとても積極的に動いているのは……公爵家の力を落とす為、だと思う?」

 「………………そうだね……それも中からじわじわと削ぎ落としていこうとしている感じがするから、質が悪い。表立って騒いでくれたら戦えるのにこちらに分からないように動いている」


 「やっぱりそう思うのね…………でもどうして公爵家が狙われているのかが分からないわ」


 「……おそらく私と君の婚約がとても都合が悪い輩がいるという事だ。しかし今さら解消したからと言って、教会の動きが収まるかどうか……むしろ公爵家の影響力が落ちるだけではないかと思う。今回で聖ジェノヴァ教会の者が人身売買の大罪を犯したと大々的に出れば、少しは大人しくなりクラレンス公爵も動きやすくなるだろう。私は彼に確かめたい事があるんだ……私の考えが正しければ…………」

 「お父様に?」

 「…………ああ、その時は君にもその場にいてもらいたい。君にとっても重要な話になると思うから」
< 174 / 512 >

この作品をシェア

pagetop