【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
元気そうね。ヴィルの作戦を聞いてもしっかり寝られるなんて、大物な感じがするわ。私とソフィアはおもむろに起き上がり、マリーに着替えを手伝ってもらって皆で軽めの朝食を済ませた。
朝食後にお茶を飲んで少し寛いでいると「オリビアにやってもらいたい事があるんだ」とヴィルに頼まれごとをされる。
「ここで色々とするならば公爵の許可が必要になる。しかしその度に許可を取っている時間はないから委任してもらえば早いと思ってね……領地での決定権をオリビアに託してもらえるように書状を飛ばしてほしいんだ。私が頼んでも良かったのだが……なるべく公爵領での権利譲渡については公爵家でやり取りした方がいいと思ってね」
なるほど。確かに今お父様がここにいない状態で事を進めても様々な決定権はお父様にあるし、むしろ私たちの方が勝手に動いているという事になりかねない。お父様が私に決定権を委任してくれる委任状があれば、私が領地で決定を下せるという事ね。
「それは大切な事ね、すぐに書状を書いて飛ばすわ」
私は手短に書状を書いて、伝書鳩を飛ばした。お父様の委任状を持って伝書鳩が帰ってきたのは、それから一時間ほど経ってからだった。