【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
海沿いを行く荷馬車
コンテナに子供を入れて運び出そうとしていた人物は二名で、ヴィルはあっという間に二人とも気絶させていた。王太子ってやっぱり剣術や体術なんかを鍛えているのね……貧民街でのゼフの動きも凄かったけど、ヴィルも負けてはいなかったわ。
そして荷馬車の御者はゼフがすでに押さえていた……こちらも超人的ね。
御者の方はヴィルが聞きたい事があるようで、気絶させずにゼフが捕まえている。子供たちは皆私が保護し、ヴィルと御者のやり取りを見守っていた。
「この子供たちはどこに運ぶつもりだった?」
「…………………………」
当然の事ながらすぐには答えてくれない…………黙秘って事ね。するとヴィルが御者のフードをはぎ取ると、御者だと思っていた人物は聖職者だった…………まさかと思い、ヴィルに倒されて縄で縛られている二名のフードもはぎ取ると、その二名も聖職者だったのだ。
「皆聖職者か……ここまで教会が腐っているとはな…………仕方ない。始末するか」
「え?!ちょっ……ヴィルそれは…………」