【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 「……あそこの船に乗せて行くんです…………」


 御者は黒いバルク船のような貨物船を指さしていた。

 随分大きな貨物船…………その船には隣国のマークが刻まれていた…………あれは見た事がある。多分元のオリビアの知識だと思うけど……


 「あの船のマークはドルレアン国じゃない?確か好戦的な国よ……そこに売られているって事は……」

 「行き着く先は奴隷にされるか、戦が絶えない国だからな……戦いの駒として育てられ、使い捨てられるか……」
 

 信じられない現実を目の当たりにして、絶句してしまう。今まで売られていった子供たちはどんな運命を辿ったのだろう…………目の前の光景に信じられないでいると、何人かの聖職者がゆっくりと荷馬車に歩いてくるのが見えた。
 

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