【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「昨夜に殿下からご連絡がありましてね、国中の港の警備を徹底しろと。特に公爵領から近いこの港の衛兵を増やせという指示がありましたので。ここは辺境伯であるウィッドヴェンスキー家の管轄ですから」
そう言ってニコライ様は笑っている……そうだったのね…………そんな話聞いてなかったけど、確かに助かったわ。
「ニコライ卿、感謝します。大変助かりましたわ」
「礼には及びませんよ。あの殿下のしおらしく謝罪する姿が見えたので」
「…………うるさい……」
ヴィルとニコライ様って仲良しなのね……私が呆気に取られているところで、御者や聖職者たちは衛兵に捕まり、護送されていこうとしていた。ゼフがドルレアン国の船員も引き渡したので、全員まとめて王都に護送される事になる。
「父上に頼むのも大変だったんですよ、本当に人使いが荒い……入口の通行証を見た衛兵から公爵領からの荷馬車が到着したと通達があり、すでに周りは固めていましたので彼らに逃げ場はありませんでしたけどね」
「さすがに仕事が早い。ウィッドヴェンスキー卿にも礼をしに伺わなければならないな」