【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
寝ぼけてゴロンとしていると、どこからともなく声が聞こえてくる。
「まだ寝ぼけているようだな。そろそろ昼になるぞ……」
ベッドがギシッと軋む音がしたので目を開くと、ヴィルの顔が目の前にある…………あまりのエフェクトに固まってしまった。
「ヴィ、ヴィル……どうして、ここに?」
慎重に言葉を選んで聞いてみたのだけど「オリビアがなかなか起きてこないから部屋で待機させてもらった」と当たり前のように言ってくる。
「オリビア付きのマリーという侍女は、喜んで入れてくれたよ」
マリーー!……きっと何の悪気もなく入れたのよね、マリーは。マリーを思い浮かべると、その場面が浮かんでくる。そして私に嬉しそうに「王太子殿下がお嬢様を心配して~」って言ってくるに違いない。
私は溜息1つ落とし、隣のソフィアに目を向ける。ぐっすり眠っているわね…………それほど疲れたのでしょう。体も心も疲れたでしょうし、このまま寝かせておいた方がいいわね。