【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
ターゲット
私はヴィルの言葉を聞いて、すっかり失念していた事を思い出した…………ヴィルのお母様、王妃殿下の存在を。王妃殿下は私とヴィルの婚約を快く思っていない。
そして王妃殿下は小説では、ほぼモブキャラと言っていい立ち位置だった。それくらいあまり出て来なかった人物のはずなのだけど……
「……王妃殿下はすっかり聖ジェノヴァ教会に心酔しきっていますからね。陛下も手を焼いておられる……教会に掛け合う度に王妃殿下が介入してきて、本当に困ったお方だ……領地に行く機会すら与えてくれない。あまりにも介入してくるものだから、一度陛下にお頼みして釘をさしていただいた事もあるのですが…………今度はオリビアの方をターゲットにし始める。ここまで領地に行かせまいとしてくると、さすがに領地で何かあると思う方が自然です。王妃殿下と懇意にしている大司教の息がかかった司祭を公爵領に派遣するだなんて、私が了承したいわけがない」
「…………母上は相変わらずだな……やはり教会が力を増した背景に母上の影響なしには語れない、か」
「お父様、私をターゲットにってどういう事ですか?ターゲットにされた記憶はないのですが…………」