【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 ヴィルは複雑な表情をしているわ……確かに喜んでいいのか分からないわよね。それにしてもお父様はこんな事を一人で抱えていたなんて……

 

 「殿下、私があなたのお母上のしている事をなぜあなたに伝えてこなかったか、なぜ伝える事が出来なかったのか、分かりますか?もっともあなたの事だから勘付いているだろうとは思いますが…………」

 「………………………………母上が私の命も狙っているから、だろう?」


 え………………実の息子の命を狙っているの?だって陛下はヴィルの事を大切にしているし……お父様の言っている事が信じられず、二人を交互に見てしまう。


 「ええ、王妃殿下はオリビアをターゲットにしましたが、あの方のターゲットにはあなたと陛下も入っています。ゼフは王妃殿下から身を守る為に付けているところもあるのでは?」

 「…………そうだ、いつからか命を狙われる事が多くなってね。私は王太子だから多方面から命を狙われる危険があるのは仕方ないと思っていた……しかしある日、我が国の雇われ暗殺者が来た事がある。その者が吐いた…………依頼主は母上だと。母上もバレてもいいと思っているのだろう。次の日、笑って挨拶をしながら、身辺に気を付けろと言ってきた時は吐き気がしたがな……」
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