【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 いわゆる温泉ってやつよね。ここの湯はどういう効能があるかは分からないけど、ここに来たからには帰る前に一度入っておきたい。


 「なっ……公衆浴場は皆が入る場所だ。オリビアを皆が見るなど…………」

 「男女は分かれているわよね?」

 「そ、それはそうだが…………ブツブツ…………」


 殿下が何かもにょもにょと言っているけど、よく聞こえなかったのでスルーする事にしよう。皆がいなければいいのかしら?


 「夜ならいいんじゃない?だいたい領民は皆朝に入って、身を綺麗にしてから仕事をするものだから夜は誰もいないと思うよ。夕方から貸し切りの看板でも立てておけば大丈夫じゃないかな」


 お父様がそう言ってくれたので、私は顔を輝かせる。隣でヴィルが何かを言っているのを無視して決定してしまった。
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