【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
新たな家令
「ここの領民は、とてもこの領地が好きなんだなって伝わってきますね。特に今回のヤコブ司祭とロバート様が対峙した時に領民が怒りを爆発させた時の事はとても驚きました」
オルビスがヤコブ司祭の時の話をし始めたので、詳しく聞きたくて耳を傾ける。
「皆、本当に怒っていて……勝手に徴収されていた事ももちろんですが、公爵領の為に払っていたのに違う事に使われていた事が腹立たしいと言っていて…………ここの領地が愛されているんだなって感じました」
「そう…………皆がそんな事を。お父様のやってきた事が皆に伝わって、住みやすい良い領地として機能していた証ね。とても嬉しいわ……ヤコブ司祭のしていた事は許し難いけど、それに長年気付けずに苦しめてしまったから、領民にはその分も返していかなければならないわね」
「お嬢様、その件で折り入ってお話がございます」
そう言ってロバートが突然話し始めたので、皆ロバートの方を一斉に見る。ロバートは皆を見ながらゆっくり話し始めた。
「私は今回の件で、領民や公爵家の方々にも大変なご迷惑をお掛け致しました。旦那様にもお伝えいたしましたが、私もそろそろ引退を考えるべきと判断しまして……」
「え?お父様にも伝えたって…………そんな事を考えていたの?!」