【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「ヴィル様…………ブランカがお送りします。いつもはオリビア様がいらっしゃって出来なかったから…………ダメですか?」
私は上目遣いでヴィル様の腕に自分の腕を絡め、お願いする。こうすれば私の胸の感触が気になる男たちは、すぐに了承してくれるの。
「すまないが、今私が見送りをしてほしい人はオリビアだけなんだ。君はトマスの手伝いをしてくれ。…………では、また明日」
…………私の誘いに乗るどころか、冷たくあしらわれてしまったのだ。トマスもびっくりしていたけど、私もあまりの変わりように驚いて固まってしまう――
なぜ?あれだけ冷遇していたのに、どうしてそんな事を?
しかも殿下がめっきり生徒会に顔を出さなくなったと思ったら、オリビア様の元へ向かったって…………副会長のニコライ様に告げられて、ショックで3日は泣いて暮らしたわ。