【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
私は持っていた扇を開き、しっとりと笑って見せた。ブランカ嬢は嬉しそうに私の話に乗ってきて、女子会のような雰囲気になりそうだった……その時、王妃殿下が自身の扇をピシッと閉じる――
あまりに大きな音だったので、私とブランカ嬢は目を見開いて王妃殿下を見た。
「…………随分楽しそうだこと……そう、ブランカ。あなたは私の見解は的外れだと言いたいのだな…………」
「い、いえ!そういう事ではございませんっ……ただヴィルヘルム王太子殿下は王族に相応しいお方だと言いたいだけで…………」
「…………ふん……まあ、よい。そろそろお茶を飲もうではないか。レジーナ、入れてくれ」
「かしこまりました」
え?レジーナ嬢が入れるの?てっきり使用人が入れるのかと思った…………レジーナ嬢を侍女代わりに使っている……
「あ、私も手伝いますわ」