【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部更新中】
王妃殿下が扇の向こうで悪い笑みをしている。教会にダメージを与えた事が相当気に入らないのね。
「……もちろん決めつけてはおりませんわ。私は事実をこの目で見てきましたので、その事実を元にお話をさせていただいているだけ、でございます。特に他意はございません」
扇を広げ、ニッコリ笑って見せる。何が決めつけよ、実際に港で見たんだから言い逃れ出来ない状況なのに……
「ふん、教会は下賤な者を掃除しようとしてくれていたのかもしれぬのに……ここまで騒ぎを大きくするとは。それによって議会で審議するべき問題も遅れている。そなた達は何がしたかったのだ?」
「下賤な者とは…………この国にそのような者はおりませんわ、王妃殿下。皆大切な民であると、陛下も殿下も仰っております。私は陛下の大切な民をお守りするのがお役目だと思っておりますし、無論父もそのような気持ちで公務にあたっていると存じ上げておりますが……」
「そのような戯言など詭弁だ……それで国が救えれば苦労はしない」
「では陛下のお心を蔑ろになさるおつもりでしょうか……?」