【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 ……………………ん?ちょっと照れていらっしゃる?………………この人、ヴィルにそっくりかもしれない…………………………私は王妃殿下のちょっと赤らんだ顔を見なかった事にして、お茶会を退席する事にした。


 「申し訳ございません、王妃殿下、皆さま。まだ領地から帰って日も浅く、体調が万全ではございませんので……今日はこの辺で失礼させていただきます」


 少し険悪なムードになりそうだったので、皆が私の退席にホッとしている感じがした。気のせい……ではないわね。でもイザベル嬢だけは最初から最後まで無表情だったわ……

 そしてレジーナ嬢もほとんど表情を崩さず――



 でも色々と収穫はあったし、王妃殿下とお話する事も出来て充実感もあったし、実際に出席して良かったと思えた。そしてお茶会で出されたお茶は、口をつけただけで飲み込む事はしなかった。


 お父様のお話を聞いていたし、飲む気にはならないわね……



 色々な思惑が交錯したお茶会は幕を閉じ、私は公爵邸に帰って疲れがドッと出てしまったのか、その夜は寝落ちるように眠ってしまったのだった。


 
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