【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
馬車の旅
領地への道は整備された街道をひたすら進んでいたので、途中で森の中の道を通らなければならない時もあったけど、基本的に快適だった。森の中の道は流石にボコボコしていて、公爵家の馬車でなければきっと揺れで具合悪くなっていたでしょうね……それにお尻も痛くなっていたかもしれない。
公爵家の馬車は流石貴族といった感じで、とてもフカフカだし、長時間座っていても腰が痛くなる事はない。と言っても今は10代の体なので腰痛とは無縁なのだけど……つい30代だった前世のつもりで考えてしまうわ。今の私は若いのよね。
「お嬢様、お体の調子はいかがですか?」
向かいに合って座っているマリーが、度々私を気遣って声をかけてくれる……なんて優しいのかしら。
「何かあればすぐにマリーに仰って下さいね!時間もたっぷりありますし、休憩しながら行きましょう」
あぁ……天使っているのね…………マリーが眩しいほどの輝きを放って見える(これがエフェクトってやつね)彼女の存在が最近の私の癒しになっていて、きっと私はマリーの為に転生したに違いない。
「全然大丈夫よ。景色もいいし気分がいいわ……あそこの畑では何を植えているのかしら?」