【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
お父様に促されるままソファに腰をかけ、お父様は私の隣に座った。珍しいわ、隣に座るなんて…………美しいお顔が近くにあるから眼福だけど。
「……昨日は王妃殿下のお茶会に出席したようだね。何か体調が悪いとか、変化はないかい?」
そっか…………王妃殿下が私のお茶に何かしていないかが心配だったのね……参加したら飲まなきゃいけないわけだし、凄く心配するわよね。私はてっきり無理矢理参加した事を責められるのかと思って、びくびくしていた。
お父様の愛は深いわ。ありがたい事ね――
「大丈夫です、お父様。私は出席しましたが、そのお茶に口はつけましたけど、飲み込んではいません」
「え?」
「ふふっ飲んだフリをしたのですわ。それにあまり長居していないので、王妃殿下も私が飲み込んでいない事には気付いていないと思います」