【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「そうだね。まだ小さいから尚更王妃殿下の影響力が大きくなってしまう。貴族派で弟君を担ぎ上げようとする動きもあるから、今回の公爵領での事件を殿下が解決したのは大きかったよ。良い牽制になったな~」
「…………お父様も大変なお立場ですのね……勝手な事をしてしまって、ごめんなさい」
「いいんだよ、オリビアが無事ならいいんだ。君には自由に生きてもらいたいから、自分の信じる道を生きてほしい。きっとジョセフィーヌもそう願っているよ」
「お母様……」
私はお会いした事はないけれど、親というものの有難みは痛いほど感じている――
私に何かあればお父様も公爵家の皆も悲しむものね。前世では自分を疎かにしてしまったから、今は自分を大切にしよう……お父様に頭のトップをなでなでされて、子供のように扱われるのはちょっと恥ずかしいけど、心の中はじんわり温かくなって癒されたわ――
そして翌日、執事のエリオットが一通のお手紙を私に持ってくる。
それは王妃殿下のお茶会でご一緒した、イザベル・アングレア伯爵令嬢からだった。