【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
執事のエリオットがイザベル嬢の持っていた日傘を受け取り、私たちは庭園へと移動した。
「…………素晴らしい庭園ですね……さすが公爵家です」
私はいつも見慣れている景色なのだけど……他の貴族の邸宅に行った事もないので比べようもないから、これが基準になってしまっている。当たり前の事ではないのね。
「この庭園は母が好きだった花たちで造られていると、お父様が仰っていました。ここに来ると母を思い出せるようにと……私もここが大好きなんです」
「…………素敵ですね。オリビア様も公爵閣下も……素敵な人柄が表れているような庭園です」
「……ありがとう。さあ、座ってお茶でもいただきながらお話ししましょう」
「はい」