【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 「…………窓に身を乗り出すと危険ですので、お気を付け下さい」

 こういう時はしっかり喋ってくるのよね。「はい……」と小さく返事をして、今度はちゃんと座ったまま景色を楽しむ事にした。


 ∞∞∞∞



 夜になって街道はすっかり暗くなってしまったので、小さな村の宿泊施設に泊まる事にした。

 「お嬢様、宿が取れましたよ!今夜はここで休んでいきましょう」

 そう言ってニッコリ笑うマリーにつられて私も笑顔になり、馬車を降りた瞬間「ドカッ!!」という大きな音と「なんだお前は――!」という物騒な怒鳴り声が聞こえてきた。
 同時にゼフが私を守ろうと瞬時に前に出て、身構える。

 「お嬢様は私より前には出ませんように」
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