【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
笑い話
「そう言えば王妃殿下のお茶会では、領地での事を沢山聞かれたから、ヴィルの武勇伝もしっかりと披露してきたわよ」
私がニッコリ笑ってそう伝えると、ヴィルは顔を引きつらせて苦笑いをしている。
「ぶ、武勇伝?どんな話を……?」
「もちろん領地での活躍よ!司祭や司教を捕まえる為に自ら荷馬車に乗って港に行ったり、荷馬車を奪う時のヴィルの動きとか…………ブランカ嬢なんて身を乗り出して聞いていたわ」
私の話を聞いているヴィルが、あまりにも動揺しているので面白くなってお茶会での事をどんどん話してしまった。ヴィルは恥ずかしいのか耳まで真っ赤にして片手で顔を覆っている…………得意げな顔になるかと思ったんだけど、むしろ恥ずかしがってしまうのね。
「その話はその辺で、止めておいてくれ…………王太子が荷馬車に乗っている貴重な姿を見られたとか、ニコライにも散々弄られているんだ……」
「ニコライ卿に?ふふっそれは辛いわね。でも皆面白そうに聞いていたわよ、イザベル嬢も戦いが得意だからか、荷馬車を奪うところなんて『どのように襲い掛かったのですか?!』って興味深々だったし…………」
「………………全く他人事だと思って……………………しかし、母上は反応しなかっただろう?」