【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 ヴィルに言われて、ハッと気づく。この話を続けてしまったら、王妃殿下がヴィルの事を悪く言っている事を伝えなきゃいけなくなるのでは?

 
 「……王妃殿下はこんな感じで般若のような顔をしていたわ……」


 私は気まずい雰囲気を隠すように変顔をして誤魔化そうとした――けど、それもお見通しだったみたいで…………


 「ははっよく似ている。…………気を遣わせてすまない。オリビアは優しいな」

 「ヴィル、そんな事はないわ。この際だからあなたに話しておくけど、王妃殿下はお茶会の度にあなたの事を私に悪く言ってくるの。私が同意するまでそれは終わらない……でも今まで私は何も出来なくて…………」

 「オリビア、それは当たり前の事だ。相手は王妃なのだから……」

 「いいえ、それでもそんな自分が許せなかったから、今回は言いたい事を言ってきたわ。売られそうになっていた子供を下賤な者とか言うし、許せなくて……『陛下も王太子殿下も皆大切な民だと仰っております。その大切な民をお守りするのがお役目だと思っているし、そのお心を蔑ろになさるおつもりでしょうか?』って」

 
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