【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 未来ある子供たちを下賤な者とか言う人間がトップにいるから、国がダメになっていくのよ。


 私は気付いたら立ち上がって力説していたので、急に恥ずかしくなっていそいそとソファに腰を下ろした。ちょっと気恥ずかしくてチラッとヴィルの方を見ると、肩を揺らしている。


 「ヴィル、どうし……」

 「あっははは!オリビアは最高だな!母上にそこまで言える人はなかなかいないよ。凄い顔をしていたのではないか?」

 「…………そりゃ凄かったわよ。扇で口元を隠してはいたけど、目だけで人を殺せそうな顔だったわ」

 「ふふっこれ以上笑わせないでくれ…………想像してしまう。久々にこんなに笑ったよ、一生分かもしれない」


 ヴィルの笑い方が領地にいる時からどんどん砕けてきて、年頃の若い男性って感じになってきているわね。若者はやっぱりこのくらいでなくちゃ……王妃殿下の話を出しても悲壮感がなくなっているし、いい傾向ね。


 「君はこのまま変わらないでいてくれ。正直で真っ直ぐでいてほしい……貴族なんて皆仮面を貼り付けた人間ばかりなのは当たり前なのだが、オリビアといると素でいられる。きっと君が真っすぐな人だからだ」

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