【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

子離れ親離れ



 「おや?」


 突然応接間の扉が開かれて、お父様が顔を覗かせた。

 私とヴィルは驚きのあまりすぐさま手を離し、私は立ち上がってお父様を迎え入れた。


 「お、お父様!お帰りなさいませ。殿下がいらしていたので、こちらでお話ししていたのですわ」

 「…………うんうん、そうだよね。婚約者の家なのだから、手なんか握ったりしないよね~」

 「ひえっ」


 思わず変な声が出てしまった……しっかり見られていたのね?ヴィルの顔が青ざめて苦笑いしているわ……今日はこのまま帰ってもらった方が良さそうね。

 イザベル嬢の事とかもう少し伝えておきたかったんだけど、仕方ない。

< 310 / 512 >

この作品をシェア

pagetop