【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
お父様の背後に何やら黒いオーラが見えた気がするので、今日のところはヴィルには帰ってもらう事にしたのだった。
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「まったく、殿下もいくら婚約者と言っても未婚の女性の家に夜に来るのは感心しないな~」
夕食の席でのお父様は、今まで見た事がないくらい不機嫌でいらっしゃるわ…………まさに娘の彼氏に嫉妬する父親って感じね。
ふふっそんな事を言っているお父様が可愛くて、ずっと見ていられるって言ったら怒られそうだけど。
「それにしても殿下は、どうしてこんな時間に来たんだい?」
「今日は王妃殿下のお茶会に行っていた私を心配して来てくれただけですわ。ニコライ卿に今日聞いたんですって……」
「…………ああ、きっとその話を聞いたらすぐにすっ飛んで行きそうだから、言わないようにしていたんだろうね、ニコライ君は。その通りにすぐに我が屋敷に来たわけだ」
「そうなりますわね。でも今日は王妃殿下のお話をして、大笑いしてましたわ。私が王妃殿下の顔を真似すると似ていたみたいで…………凄く似てるって」