【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
イザベルは興奮気味に誘ってくれる。正直ありがたい事よね、建国祭まで時間はないし、少しでも身につけていたら皆の心配も減るというもの。
「じゃあ、さっそく伺ってしまおうかしら」
私がイザベルにそう返事をした時、突然外から喧騒が聞こえてきた。私とイザベルは同時に立ち上がってカフェの外を見ると、数十人もの民がこのカフェに向かってやって来るのが見える。ゼフがカフェの扉を開いて飛び込んできた。
「オリビア様、この店の裏口からお逃げください!民衆がやってきて、オリビア様を出せと言っています!」
「え?!」
「おそらく教会の信者かと思いますが……公爵令嬢を出せと言っているので」
なぜ私がここにいるって知っているの…………司教と司祭の件で教会の信者が怒っているのね。でも逃げ回ってばかりいられないわ――