【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
イザベルがそう言ってくれたので、イザベルとゼフに続いて私は民衆の前に出て行った。
そこには沢山の民が集まっていて、皆一様に怒りの表情を浮かべている。中には悲しそうな顔をしている者も――――
「私がオリビアです。私をお探しのようですが、どのようなご用件でしょうか」
「……あんたか…………司教様や司祭様を犯人にして島流しにしようとしているのは。あんたのせいで、あんなに優しかった人が罪人にされてしまったんだぞ!」
おかしいわ…………私ですら昨日お父様に聞いたばかりの二人の刑を……まだ決まってもいないのになぜこの人たちが知っているの?情報は機密事項だから洩らしてはいけないはず。
そしてこの男性の言葉に反応するように民衆は大きな叫び声をあげながら、私を責め立てるような言葉を次々に言ってきた。
「あんな下賤な奴らの子供なんかの為に司教様や司祭様がどうしてこんな目に……」
下賤な奴らの子供?その言葉にいよいよ我慢が出来なくなった私は、言い返す事を決意する。