【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~


 「下賤な奴らの子供、ねぇ。あなた方はそう言うけど、陛下は民は皆平等だと考えておられるわ。教会の教えだってそうなのではなくて?」

 「司教様や司祭様が我々と同じだなんて、そんな畏れ多い事があるわけがないだろう!」

 「ふーーん…………ならば、あなた方と私も違いますわよね?あなた方が下賤な者とか言うのなら、私にとってもあなた方は下賤な者になるでしょうし…………こんな事までされたのだもの、あなた方を売りに出してもいい、という事になるわね?」

 「っ………………な、なんっ…………」


 私はまさに悪役令嬢のように扇を広げ、威圧感たっぷりに言ってみると、大声を張り上げていた男は私の言葉に何も言い返せなくなっていた。身分を笠に着て、何をしてもいいわけではないわ。だからこそ法というものがあるのに、民の中で、命に対しての意識が低いからこんな事になるのかもしれない。


 私は持っていた扇をパチンッと閉じて、さらに続けた。
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