【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
アナトリーン・ディ・ハミルトン ~王妃Side~
私の名はアナトリーン・ディ・ハミルトン。
ハミルトン王国の国王、アレクシオス・ディ・ハミルトンの正妃である。
私の母国ドルレアン国は、ハミルトン王国から海を隔てた隣国にあり、私は側妃の娘で末娘だった。末娘だからとても甘やかされて……なんて事はなく、兄弟からは蔑まれ、国王は末の娘など虫けら以下のような扱いだった。
ドルレアン国の王族は欲深く好戦的で、常に戦を仕掛けては国力を消費していた。
いつかきっとこの国は、王族たち自らの手で滅ぼされる事になるだろう…………だからこそ私は、この国を出たかった。
王族として生まれたからには政治に利用されるだろうという事は分かっていたので、出来る限りこの国の貴族ではなく、他国との取引で嫁ぐ事になるのを狙っていたのだ。
そしてその時はやってきた。
ハミルトン王国との同盟の証として、国王に嫁ぐ事になったのだ。それも側妃ではなく正妃として…………