【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
世継ぎを生み、皆が口々に祝いの言葉を言う…………これで私は未来の国王の母になった。ホッと胸をなでおろす――――
赤子は髪色や目の色までアレクシオスにそっくりだった。自分の子供というのは可愛いものだな……我が子を抱きながら、私にも少なからず母性というものが芽生え、未来の国王となるこの子を自分の手で育てたいという願望が出てくる。
私の母は私を生み、ほとんど乳母に任せて私と関わろうともしなかったが、この国では私は正妃だ……私の希望が通るだろう。
そう思っていた。
しかし現実はそうはならず、私の元から子は連れて行かれてしまう。
乳母に可愛がってもらっている姿、乳母の乳を飲む姿、滅多に会わない私には全然懐く気配がない姿、全てが鬱陶しい。しかも見た目があの陛下にそっくり…………我が子は目に入れても痛くないと言うが、目に入るのも嫌悪するようになっていく。
ヴィルヘルムは成長するにしたがって、どんどんアレクシオスに似ていった。