【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部更新中】
それが更に私の癪に障るようになる。あまりに私が嫌悪するものだから、王太子ともなると命を狙われる事も多々あり、どうやら私に命をも狙われていると考えているようだ。
大方暗殺者が命惜しさに私の名前でも出したのだろう。
神になど祈ったところで心が満たされるとは思えなかったが、この国の中枢にあるジェノヴァ教会の内装はとても素晴らしく美しくて、そこにいるだけで自分の気持ちが洗われていく気がするので、いつしか私は頻繁に通うようになって行った。
誰かと言葉を交わすのも鬱陶しかったので、夜が明けきらない早朝に侍女を一人だけ連れて、よく通った。
その事についてアレクシオスに何か言われた事もあるが、私の心を満たせぬ人間に言われる筋合いはない。
私は構わず通った。そしてそこで聖ジェノヴァ教会最高権力者である大司教に出会う。