【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

 そして何より…………聖女を召喚する事に力を注いでいた。


 私は意図的に大司教と懇意になり、召喚する為の研究を見せてもらった事もある。

 聖女は国に豊かさをもたらす豊穣の女神…………その聖女を教会が召喚し、国にとって代わろうという魂胆だ。こんな事をまことしやかに進めていたとは、驚くべき集団だ。


 「まさか教会でこのような事が進められていたとは流石に想像も出来なかった…………素晴らしいではないか、大司教。でもそうなったら王家の者は皆排除されてしまうのだろう?」

 「ふふっ…………あなた様は別格です。もし今の王族たちが排除された暁には、私と共にこの国を治めていただけますか?」
 

 私の手の甲に口づけながら、大司教にこのような口説き文句とも思える言葉を言われたが……散々多方面から裏切られてきた私の心には全く響いて来ない。むしろこの男も平気で裏切るだろう。このまま排除されてしまうなら、何の為に母国を捨て、他国に嫁いだのか意味が分からんな……
 

 フェオドラード…………胸に野心など抱かずに教会の為に尽くす人間であれば、良き友になれていただろうに。
 
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