【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
フェリクスはヴィルヘルムとは真逆で、見た目も私にそっくりだった。
そして大きく違ったのが、第2王子だからなのか自分の手で育てられたという事だ。
私はフェリクスが可愛くて愛おしくてたまらなかった。見た目もそっくりな事もあり、自分の分身のように感じ、フェリクスの憂いを全て取り払ってやりたいとすら思うようになっていく。自分の中にこのような愛情があったというのが私自身でも驚きだった。
「フェリクス、私と庭で遊ぼう」
ヴィルヘルムはよくフェリクスの元に通い、思った以上にフェリクスを可愛がっている…………二人の見た目が私と陛下そっくりなので、兄弟が仲良さそうにしている姿を見ると……気恥ずかしいような居心地が悪い気持ちになるので、あまり私は歓迎出来なかった。
しかし、フェリクスはヴィルヘルムを慕っている。フェリクスから兄を奪ってしまうのは私の本意ではない。